青春18きっぷ 乗り換えは無人駅の区間を確認しないと大変なことになりますよ…【4日目】

      2016/08/26

長い旅ももう4日目、早くも折り返し地点である。

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昨日は仙台で牛タンを堪能した後、一ノ関駅で一泊した。

一ノ関駅へは仙台駅から東北本線で小牛田駅行きに乗り一度小牛田駅で途中下車。

その後、一ノ関行きの東北本線に再度乗車する。

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青春18きっぷ 乗り換え

そう。同じ東北本線なのに乗り換えが必要になるのだ。

もちろん僕がこの旅で使用している北海道&東日本パスも青春18切符も乗り換えし放題なのである。

前者は磁気磁石の改札も通れる。もちろん、次章で紹介する無人駅であっても出たり入ったり自由にできる優れものだ。

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青春18きっぷ 無人駅について

北海道&東日本パスや青春18きっぷを使用して無人駅を下車する場合、どのようなことが行われるのか?


無人駅

無人駅ではその名のとおり、駅に誰もいないので「チェックしようがない」のではないか?と思われるかもしれないが、そこはJRさんもちゃんと対策は取っている。

その対策とは『車掌さん、つまり電車の運転手さんが乗車券のチェックを行う』である。

つまり所謂『バス形式』である。

僕の感覚では電車の車掌さんは雲の上の存在であり、停車中も含めて運転席に座っている間は『集中しているから話しかけてはいけない人』だと思っていた。

もちろん電車が動いている間は、そうに違いないのであるが、無人駅に停車すると乗車券の確認も行う係に変身する。

これはちょっと意外であったが、よくよく考えてみると、ローカル線は1時間に1本もないところが多いし、駅の間隔も長いところが多いので、少しくらい遅れてもさして問題はないのだ。

それよりも、利用者が1日100人もない駅に、人を一人でも置いておく方がコスト的に大きくなるので今の形式となっているのだろう。
僕が一ノ関から秋田に行くために利用した北上線の横手行きも約3時間に1本という本数であった。


時刻表

話は変わるが、僕は北上駅から北上線隣駅の柳原駅まで、昼食をとる店をみつけるがてら歩いた際、奇跡のレストランを発見してしまった。

ここである。

外装は特徴的ではないのだが、注目すべきはその味とコスパである。

おすすめはお肉のランチ820円。

内容はサラダバー、ドリンクバー、ステーキ(200ぐらむくらい?)、スープ、ライスである。

この内容で820円というだけで破格なのだが、驚くのはステーキの味である。

これがなんともうまい。昨日食べた仙台の牛タンを軽く超えてきた。
仙台の牛タンも相当うまかったが、ここのステーキはそれの上をいっていた。

僕は11時にこの店に入ったので、その時は他の客が3人しかおらず、

「人気のないレストランに入ってしまったかな?」と思ってしまった。

しかし、そんな心配は杞憂であった。

この日は平日だったため、12時を過ぎたあたりで近くで働いているOLを中心に賑わった。即座に満席である。

北上を訪れたら、ぜひともまた来たいお店である。

しかし、この食事が最後の食事になることを覚悟する時が来るとは、この時僕は知る由もなかった。

青春18きっぷ 区間距離は要チェック

ローカル線の旅をしていて思ったのは『日本にはやったら山と田んぼが多い』ということだった。

ローカル線の車窓は右を見ても、左を見ても、

田田田田田田田田
山山山山山山山山
田田田田田田田田
山山山山山山山山
山山山山山山山山

といった様相である。

さすがに、3日間も旅をしていると飽きるのではないか?と思われるかもしれないが、そんなことはなく、むしろ

「あの山道や田んぼ道を歩いてみたい!」と思えてさえ来るので不思議である。

僕はその衝動が抑えきれなくなり、この北上線でそれを実践することを決心した。

なぜ北上線で実践しようと思ったか、その理由は単純に「錦秋湖の周辺は新緑や紅葉の名所」として有名であったからだ。

この「有名」というのもネットで調べただけで定かではないが、銀行口座に1000万円入金するわけでもない。そんなに慎重になる必要はないと思った。僕は何の考えもなしに、下車駅に和賀仙人(わかせんにん)駅を、乗車駅にゆだ錦秋湖(きんしゅうこ)駅を選び、その区間を歩くことにした。

下車したときはワクワクしていた。

田舎に住みたがっている都会人にとって、あれだけ自然の山々を見せつけられるというのは、生殺し状態もいいところだった。

「あの田舎道を歩きたい」

その願いが今叶う。いつかは田舎に住みたいと思っている僕にとって、田舎道を長時間歩くというのはいいシミュレーションにもなる。
そんな半端な気持ちでいた。

それがあだとなった

和賀仙人駅ーゆだ錦秋湖(きんしゅうこ)駅の区間は北上線と並走(とまではいかないが、ほぼ隣を通っている)している国道107号線がある。この道を歩いていけば目的地のゆだ錦秋湖駅に着くことができる。僕はそう確信していたし、実際に間違ってもいなかった。

しかし、その国道107号線。山道を走る車道なのだが途中で

歩道がなくなる

のである。つまり、途中までは人が歩くことを想定して作られているのだが、途中からそうではなくなる。

「だまされた」

そう思った。歩道がなくなるのであれば、看板にそう書いてほしい。(勝手にだまされて、勝手に文句を言う)

1時間も歩いた後に、この先の道に歩道がないことが分かっても・・・。

まぁ引き返してもいいのだが、引き返したら負けた気がする。

僕はおおよそ50センチほどある路側帯を歩き続けた。だがここで厄介なのが、定期的に国道を通るトラック

国道107号線は岩手ー秋田間の大動脈なのか何なのかしらないが、中途半端に交通量が多い。そして、大型のトラックがたまに通る。路側帯を歩いていて真横に大型トラックが通ると命の危険を感じるほど迫力がある。

というか実際に命の危険がある状態なのである。

自分の存在を運転手にアピールしながら歩を進める。そんな状態が20分ほど続いた。

しかし本当の恐怖はここからであった。

路側帯の幅が20センチほどに縮まったのである。

「いやこれは通れないから」

単純にそう思った。

ちなみにその道はトンネルであったので、薄暗く、路側帯の反対側は逃げ道なしである。

「どうする俺!?」

これ以上進むのは本当に無理だと思った。トンネル入り口から出口までの区間距離は目測500メートル以上はある。トラックの群れはおおよそ1分に一度(後ろに信号があるのだろう)やってくるので、一度もトラックの群れに襲われないためには、100メートル12秒で走らなければならない。

「無理だ」

僕はトラックの群れに襲われないよいうにこのトンネルを通ることをあきらめた。
いくらなんでもこの重い荷物(リュック)を背負って500メートルを1分で走りきる自信はなかったし、それに必ず1分待ってくれるとも限らなかった。

僕はとりあえず全力で走るが、後ろからトラックの気配(轟音)を感じたら、自分の存在を知らせることに専念することにした。
具体的にいうと、iPhoneのライトを点灯させて、工事現場の誘導係のように左右にそれを振る格好だ。

これであれば遠くからでも気づいてくれるだろう。

気づいてくれさえすればドライバーは速度を緩め、反対車線側によけてくれるに違いない。そう思った。
この作戦で行くしかない。気づいてくれなかったら・・・。その時のことは考えないことにした。

というか、そんなこと考えていなかった。

必ず気づいてくれると思った。

僕はトンネルの前に立ち、トラックの群れが過ぎるのを待った。一度の群れが約3,4台なので通り過ぎるまでは約20秒。これが通り過ぎたら、さらに後ろからトラックが来ないか確認して、iPhoneを握りしめ、トンネルの中へ飛び込んだ。

暗い。

足元が見えない。

虫がいそう。

僕は虫が大の苦手で、普段であれば飛んで避けるのだが、この時ばかりは違った。虫なんかに驚いている場合ではない。命がかかっているのだ。

僕は一目散に走った。

そして、しばらくすると後ろから来るであろう、悪魔の凶器(トラック)が発する音に耳を澄ませた。

耳を澄ませながら走るのは生れてはじめての経験かもしれない。

耳をすませながら走れぼく・・・(ジブリの耳をすませばと太宰治の走れメロス、そして僕の今の状況を掛け合わせてみた)

くだらないことを考えていると、ついに奴はやってきた。

「ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」

文字通り轟音である。

振り返ると約200メートル後方に悪魔の眼が2つ、爛々と輝きを放っていた。

迫りくる恐怖。

iPhoneのライトの点灯させようと試みる。
(あとあと考えてみると点灯させたまま走り出しておけばよかったのだがもう遅かった。)

手の震えがiPhoneの操作を妨げたが、何とかライトの点灯に成功した。

僕はその場に立ち止まりiPhoneを左右に振って運転手に僕の存在をアピールした。

運転手もさすがに気づいたのか、スピードを緩めてくれた。

僕はライトで後方を照らしたまま、再び路側帯に体を寄せて、トラック群が通り過ぎるのを待った。

トラックは通り過ぎる際、反対車線側に車体をよせてくれた。運転手は決まって「なにやってんだこいつ?」という目で僕を見た。

そしてすべてのトラックとそれに付随する乗用車が通り過ぎた。トンネル内は再び静寂に包まれた。

僕は運転手からの視線を受けて恥ずかしいという気持ちより「助かった」という安堵の気持ちの方が大きかった。安堵の気持ちは僕の心を幸せにした。僕は笑みを浮かべていたに違いない。

運転手からしてみれば、さぞや不信がっていただろう。

中年男性がトンネルの中をニヤニヤしながらiPhoneを振りかざしていたのだ。

自分が逆の立場だったら通報していたかもしれない。

トラックが通りすぎると僕は再び全力疾走でトンネルの出口へと走った。

「次のラッシュは避けたい」僕の心はそれだけだった。
再び僕は耳を澄ませながら走る作業に専念した。

トンネル内は僕の足音と、リュックの中の荷物が弾む音、それに僕の息遣いだけだった。

全力疾走ながらも、冷静さを保たなければいけない。

「あと50メートル。」

それくらいの距離になったとき、僕は勝ちを確信した。

50メートルであれば、この荷物を背負っていても15秒ほどで走ることができる。
そして後ろを振り返っても、先ほど僕を睨み付けた魔眼(マガン)はいらっしゃらない。

「勝った」

そう確信した僕は、徐行モードに入った。トンネルを出たときにどのようなアクションを取ればいいのかを考える必要があったからだ。

出口に歩道があれば、真っ先にその歩道に飛び込む。
なかったとしたら、身の安全を確保できるエリアを探して、ひとまずこの上りきった息を整えなくてはならないと考えたからだ。

トンネルを抜けると幸いにも、歩道とまでは呼べないが、幅50センチほどの路側帯があったため、そこで休むことができた。

本当に危なかった。
30近くにもなって、こんな命の危険を感じる経験をするなんて、いい経験といえばいい経験だった。(真似しちゃだめ。絶対)

その後も、歩道がない道は続いたが、このトンネルほどシビアな道はなかった。
ただ、道中に道の駅がありそこで聞いた「クマが出る」という情報にはビビらされた。

クマって・・・。

国道まで降りてくることはないというが・・・。むしろ国道まで出てこないのであれば、なぜそんな情報を教えたのか。僕をビビらせるためか?本当にやめてほしい。(キレ)

しばらく行くと、僕は約10年前に自動車教習所で勉強したことを思い出すことになる。
その時以来お目にかかる機会がなかった道路標識を発見したからだ。しかも徒歩で。

落石注意・・・。

この道はどれだけ危険があるんだ・・・。

トラック群、クマ、落石・・・。

この状況を今すぐにでも抜け出したかった。
その後も、路側帯の道幅は狭く。交通量は相変わらずだ。

路側帯の幅が比較的広いところで休憩し、トラック群が通り過ぎたタイミングを見計らってダッシュ、比較的安全そうな場所に逃げ込むというのを1時間以上繰り返して、少しずつ前に進んでいった。

確かに崖が崩れてきそうな場所もあった。

実際に数か月前に崖崩れが起こった場所もあるそうだ。

しかし、不思議なもので、最初はあんなに怖かったトラック群もだんだんと対処の仕方がわかってくるとそれほど怖くなくなっていた。

僕は「走っては避け、走っては避け」を繰り返した。

ようやく107号線を抜けて、目的地駅前の集落が見えてきた時には出発から2時間以上経過していた。

「何とか生き延びることができた」

これが率直な感想であった。

完全に田舎道を舐めていた。というかこれって田舎道って言わないだろう?僕がイメージしてたのは田んぼのわき道などを、のどかに歩いたりなんかして

山と空と稲のコントラストきれいだなー

と、自然を感じたかったのだ。

が、そんな余裕は一切なかった。

僕が体験したのは今までにない死の恐怖であった。

こんな経験はもう2度としたくないし、この記事を読んでいる皆さんにもしてほしくはないので、注意喚起をしておこう。

和賀仙人駅-ゆだ錦秋湖駅間は歩いちゃダメ。絶対。(そんなアホはいない)

まとめ

無事秋田に到着することはできたが、この日は本当に疲れた。
連日の睡眠不足もあったのでこの日はゆっくり休もうと思い、温泉に入った。

そのあと人生初のマッサージの施術(50分コース)を受けた。
マッサージはさすがプロである。かなり気持ちよかった。

僕はうつぶせになって、膝を折り曲げるように指示された。

施術士のお姉さんは僕の足裏を自分の脇に挟みアキレス腱を延ばしてくれた。その状態のままふくらはぎの筋肉をほぐした。

僕は足の裏で姉さんの脇の下の暖かさ感じた。人の体温は傷ついた心に効くとはよく言ったものだ。

施術士のお姉さんは乳酸の溜まった僕のふくらはぎの筋肉を解きほぐすと同時に、孤独感や恐怖によって、傷つき打ち固められた僕の心までも解きほぐしてくれた。(詩人か?)

明日は男鹿半島に行きます。

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