所得税で引かれる金額が少ない気がする 控除額と累進課税について
2016/04/29
「今月給料もらったんだけど、所得税少なくない?」
と思った方いませんか?
少ないに越したことは無いけど・・・計算が合わない。
「だって住民税が一律10%だとしたら、ボクの給料だと所得税は20%なのに、明らかに所得税の方が少ない・・・なんで?」
そんな疑問にお答えします。
所得税で引かれる金額が少ない気がする
今日は「所得税で引かれている金額少なくね?」と感じたあなたに、所得税の仕組みをわかりやすく(多分)お伝えして行きます。
ではまず、私の先月の給料を発表します〜。先月は死にそうになるくらいに働いたので、残業代がそれなりにでております。
支給額計:352000
<マイナス>
健康保険:14000
厚生年金:34000
雇用保険:2000
所得税 :9000
住民税 :24600
<振込額>
268400
・・・って、どんだけ引かれてんねん!ヽ(`Д´#)ノ
と毎月おなじみの怒りのツッコミは置いておいて・・・(置いておきたくないが)
所得税の額を見て「あれ?」と思いませんでした?
「給料から住民税は一律で10%引かれて、所得税は累進課税だから私の今の給料だと20%引かれるはずなのに、住民税の方が明らかに高い。何で?」
そう思われたあなた・・・
次章へどうぞ。
所得税で引かれる金額 控除額について
まずサラリーマンの給料への「課税」つまり所得税と住民税の対象となるのは上記の支給額計の部分ではありません。
ちょっと分かりやすくする為に図を書いてみました。こちらをご覧下さい。
交通費を出してもらっているサラリーマンは月額上限10万円を支給額から引くことが出来ます。
これが(1)給与所得控除です。
さらにそこから「一般的な生活を送る為に年間これくらいかかるだろうなぁ」と勝手に予測された金額が引かれます。
さらにさらに家族を養っていたり、医療費控除が受けられる人はココからさらに引くことが出来ます。
これらが(2)所得控除になります。これは年末調整が絡んでくる物もありますが、年末調整はとりあえず置いておきましょう。
こうして、引かれた金額が課税対象のいわゆる「課税総所得金額」になります。
図の中の「税金がかかる金額」と書いてある部分ですね。
この金額に住民税であれば10%、所得税であれば所得に応じたパーセンテージを掛けて、給料から差し引かれる金額を出します。
「ちょっと待て?」
これでは、住民税も所得税も同じ条件だから、住民税より所得税が少ない理由にならないぞ。
そう思われたあなた・・・
次章で説明します。
所得税で引かれる金額 累進課税について
累進課税とは給料の額に応じて課税する率をあげて行く税金の制度です。
「そんなもん知っとるわー!」
と聞こえてきそうですが、何か忘れていませんか?
こちらの図は国税庁の資料なのですが、一番右の「控除額」をご確認ください。
「あ・・・」
忘れておりませんでしたか?
そうなんです。
確かに税率は5%➡10%➡20%➡23%➡33%➡(これ以上は年収1000万以上の方の話なので止めときますf(^_^);)
と上がって行くのですが、税率が上がるタイミングで控除額が増えるのです。
つまり、どういうことかというと、
例えば所得税が33%の税率がかかる給料をもらっている人がいるとして、その人の課税総所得金額が1000万円だとしても、1000万円に33%の税金がかかる訳ではありません。
あくまで、900万円を超えた分に33%の税金がかかるということになります。
つまり課税総所得金額が1000万円の人が支払う所得税は以下の計算で求められます。
(1949000*0.05)+[(3299000-1950000)*0.1]+[(6949000-3300000)*0.2]+[(8999000-6950000)*0.23]+[(10000000-9000000)*0.33]=約174万円
分かり辛!!!!
これをグラフにしたのがこちらです。
赤が所得税でブルーが住民税です。
下の金額の一番右が1000万です。
金額が上がるに従って、所得税の坂が急になって行くのがお分かり頂けますか?
このように、「ある一定の額を超えた分の課税率が上がって行く」のが累進課税になります。
まとめ
いかがでしたか?
分かっているようで分かっていなかった方も多いのではないでしょうか?
でもこれで所得税より住民税の方が高くなっている理由がお分かり頂けたかと思います。
逆に所得税が住民税より高くなるのは、上記のグラフを見て頂けるとお分かりになると思いますが、だいたい430万円くらいでしょうか?
課税総所得金額が430万なので、年収でいうと800万円くらいですかねf(^_^);
私は所得税が住民税より高くなる心配はまだまだしなくてよさそうですw
※補足ですが、ボーナスから所得税は引かれますが住民税は引かれません。(住民税は昨年の収入をもとに12ヶ月に均等に割り振っている為。イメージとしてはこんな感じ。)
ですので、月々の給料から引かれている額で見ると、住民税が高く見えてしまうのは当たり前といえば当たり前ですね。