団地の建て替え 費用の負担額と立ち退き後の仮住まいはあるの?

   

一軒家にしても団地・マンションにしても、住居の購入は人生でとても大きい買い物です。
大半の方が人生で一番大きな買い物といってもいいでしょう。

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一軒家の場合は管理や修繕、処分が原則として自分の自由で行うことが出来ますが団地やマンションはそうはいかないことが多いです。
自己の所有分ならまだしも、共有部分や建物全体の修繕や処分となると自分たちだけの判断ではどうすることもできません。

そこで前回お話ししたEさん、まだまだ団地について不安があるようです。
ここではさらに団地について調べましょう。

団地の建て替え 費用はいくら?

築30年以上の団地を持ち家として住み、そこに永住したいと考えるEさんのご両親。
築年数的にも団地の建て替えの話しが出てもおかしくなく、両親が年金生活なってから建て替えということになった場合、一体どれだけの費用がかかることになるかと思うと心配になるのも当然です。

団地の建て替えとなると、時間も費用もとても長く、大きなものになります。
団地全体の建て替えの総額は一体どれだけかかるのか気になりますよね。

建て替え費用の総額は団地建て替え計画の立案の際に決定されます。
団地の規模やその他の条件にもよりますが、大規模なものになると10億円を超えるものもあります。
純粋な工事・建築費用だけでなく、建て替えに関するセミナー参加費、コンサルタントなどの専門家への相談費用、建て替えのためにする解体する費用や耐震診断費用、地質調査費用、設計費用も必要なのでとても大きな額になってしまうのです。
建て替えるからには建て替え前よりも優れた建物を作ることが当然になりますし、かなり大きな金額が動くことになります。

団地の建て替え 負担額は?

建て替えにかかる総額はわかりましたが、1世帯あたりの負担額は一体どれくらいなのだろう…
負担額が大きいと建て替えを希望していても現実的には不可能ですね。
建て替えの際の費用負担の計算はどのようになされているか気になるところです。ここでのキーワードは「等価交換方式」という言葉になります。

現在の団地などの建て替えは「等価交換方式」によるものが多いです。
等価交換方式とは、自己の土地の持ち分を建て替えの際に出資して、建て替え後の団地の土地を出資比率に応じて配分するというものです。
建て替え後は建て替え前よりも建物が大きくなっていることを前提としています。大きくなった分、部屋数も増えるのでその新たに増えた部屋を販売に出すことによって建て替え費用を抑えることができるという利点があります。

例えば、1坪あたり80万円、土地の持ち分25坪を所有していたとします。この場合、団地の建て替え負担分は80万円×25坪=2000万円となります。
そして容積率200%の土地対して建て替え前の団地は容積率100%しか使っていなかったとします。
建て替え後の団地は土地の容積率をフルに使って建て替えがなされたとすれば、これまでの2倍の大きさの団地が出来上がります。

これによって部屋数も今までの2倍となり、新たな居住者を集うことができます。
そしてこれまで2000万円分の土地を所有し、それを出資していたあなたですが、部屋数が倍になったことによって、事実上負担額なしで建て替えをすることができます。

簡単に言うと2000万円で新たな部屋を購入し、自分の部屋も新しくなるので実質の負担額はなしということになります。

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団地の建て替え 立ち退き後の仮住まいはあるの?

団地の建て替え作業がはじまると、当然作業中はその団地で生活することはできません。
そのため、建て替え中は仮住まいに一時的に移ることを考えなければいけません。
建て替え中だけでも近所に住まわせてくれる親族や知り合いがいるのがベストですが、そう簡単にはいかないことが多いです。通勤の関係などで遠方の知り合いなどのお宅も頼ることが出来ないなんて方は今の団地の近くで仮住まいを探すほかないでしょう。

そういった方は、マンスリーマンションか賃貸住宅に一時的に住むことになります。
しかし建て替え作業はおよそ半年前後、規模によっては1年から2年くらいの期間で完了することが多いです。建て替えによってはそれ以上の長さになることもあります。
そして1年未満の居住予定の場合、マンスリーマンションならまだしも一般的な賃貸住宅ではこのような短期賃貸は渋られることがあります。

そして仮住まいは原則として自分で探すことが前提ですが、建替組合にお願いして探してもらえることもあります。
自分で物件を探す時間や自信のない方は建替組合に相談してみるといいでしょう。

まとめ

いかがでしたか?

建て替えによって新しい設備が設置されたり、最新の耐震に対応したり、建物自体がキレイになって住みやすくなるとは嬉しいことですよね。
しかし建て替え負担額が軽いもので済んだとしても、建て替え中の仮住まいの費用や引っ越し費用なども考えなければいけません。

建て替えが決まったら片手落ちがないよう、しっかりと自分でも情報を集めてトラブルがないように気を付けましょう。

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