インド旅行を楽しむための持ち物と気をつけることを解説
「ここでは乞食も聖人に見える」(インドでわしも考えた:椎名誠より)というインド。
何日も洗っていないようなぼさぼさの髪の毛、汚い衣服ながら、その顔は眼光鋭く、深い思索を常にしているようでもあり、何事かを達観しているかのようでもあり。
そんな人たちと接し、ガンジス川の流れを眺めれば、本当に価値観が変わるのでしょうか。
インド旅行を楽しむ!
インドのおもしろさは人と景色、空気、食べ物の順かなと思います。
そんな人と気軽に安全に接することができるのは乗り物に乗ることです。値段交渉も含めて、ぜひ体験してみてください。多少ぼったくられても大きな金額ではありません。でもバカにされないよう値段交渉はしっかりと!ホテルで事前に相場を聞いておくのがよいですね。
「サイクルリキシャ」リキシャワラーと呼ばれる運転手の手足の細さとこぐ足の力強さ、彼の収入をあてにして待っている家族たちのことなどいろいろ感じられます。ただし決して安全ではありません。車もリキシャもごった返しで進んでいくのでちょっとした衝突は覚悟です。もちろんリキシャワラー自身も死にたくはないですから、大きな事故になることはそうそうありませんが。
「オートリキシャ」遊園地の乗り物を思い出すかわいいサイズのミニタクシー。通勤時には何人か乗り合わせで行く様子が見られます。首やお尻が痛くなるのは同じですが、サイクルリキシャよりはもちろん早いです。
「ハウスボート」観光者向けの滞在型の船です。エアコン付寝室、キッチン、トイレつきで快適に過ごせます。シェフができたての料理を用意してくれますよ。ちょっと疲れが出始めた旅行の中休みにいかがでしょうか。手配は現地の旅行会社で。
「フェリー」ハウスボートの優雅さもいいですが、いかにもインド!が感じられる大型フェリーにぜひ乗ってみてください。海のように見える広い川を渡って移動する機会があればぜひ!乗船前に集まってくる人、人、人。その他大勢に紛れてインドを感じてみましょう。
「手漕ぎボート」さらにゆっくり動く手漕ぎボートも楽しいですね。どうせならガンジス河で体験を。
インド旅行の持ち物は?
友人のインド人はもう20年以上日本に住んでいます。そうなるとインド人でも考え方や体質が日本仕様になってきます。そんな彼が数週間単位でインドに行くときに持っていくものを参考にしながら、インドだから要るのではというものを挙げてみます。
<体が元気でいるために>
虫よけスプレー:インドの蚊は日本のものより強力です。たくさん刺されると危険です。熱を出す人もいます。ですからこれは必需品。ただしスプレー式のものはどこの航空会社でも持ち込み禁止です。また100ml以上の液体は持ち込みダメなどの規則がある場合がありますので小分けにするなど技が必要かも。事前に調べましょう。
かゆみ止め:日本のものより現地のものが効く、現地のものしか効かないこともありますが念のため。
下痢止め薬:歯磨きの水も含めて絶対にミネラルウォーターでと思っていても、何日かするとついまぁいいかと思ってしまいがち。安心のために持参してください。
頭痛薬:熱さや音で頭が痛くなることもあります。
<心が元気でいるために>
爪きり:インドではなぜか伸びるのが早いそうです。伸びてそこに垢が入り込むと気持ち悪いので。
下着:一番上に着るものはきれいなものでなくてよいです。むしろきれいでない方がよいです。どこに座っても日本レベルからするときれいでないことが多いですし。ただ下着だけは多めに持っていき、体に直接触れるものだけはきれいにしておきましょう。気分的にも衛生的にも。
ひえピタ:濡れたタオルでも代用可能ですが、日本を感じて癒されたいときに。
インド旅行で気をつけること
まず「とられて困るもの、なくしたくないものは旅行先には持っていかない」を挙げたいですね。スリに気をつけろ、話しかけてくる人は信用するな、そんな注意はいくらでも書かれています。でもインドで生まれ育った友人でさえも久しぶりの帰省時に人ごみでスリに遭い、そこに住んでいる人でさえもちょっとした油断でカメラを盗まれます。現地調達を基本に、持ち物は少なくすることが重要です。
すべてがシステマティックに進み、便利で、清潔で、なぜだかいつもきぜわしい日本という国からインドに行くのなら、そのすべてが真逆の世界を楽しんでほしいという思いで、気をつけることをいくつか挙げてみます。
1.ここは異国なのだと何度も言い聞かせる
当たり前でしょうと言われる方もいらっしゃるかもしれませんが、旅行中うまく進まないことに出会うたびについ、日本だったら…と思ってしまいがち。バスはもうないと冷たく容赦なく言われたとき、レストランで乱暴に皿を置かれたとき、いちいちいらっとしてはいけません。
2.好奇心を持って、真っ白な心ですべてを見る
システマティックではなく、清潔でもないインドのよさはどこだろう、人々は何を大事に思って生きているのだろう、どこにこだわって、どこにこだわらないで生きているのだろう。こういった好奇心を働かせるときに、つい日本と比較するのは当然でしょう。でも、だからいい悪いの判断はひとまず置いておいてください。いい悪いの判断は数日間の旅行でわかるわけはないのですから。
3.インド人としっかり付き合う
日本人代表であるかのように思って、いい日本人になる必要はありません。大勢のインド人がひしめく中、もしかしたら好奇の目でじっと見られることがあるかもしれませんが、そんなときは無視しましょう。そして用事があるときだけきっちり目を見て、話をしましょう。インドでは相手の目を見て話さないこと=やましいことがある、弱い、と思われ、いいことはありません。
4.音、人、気候の熱さに負けない
車のクラクションの音、人々の話し声、すべてが大音量のインドです。目つきの鋭さ、押しの強さ、そして慣れない熱い空気、そのすべてが黙っていてもまとわりついてきます。日本のきれいな空気、静かな世界に慣れきった人たちには、それらに触れるだけで疲れるでしょう。
疲れたときは涼しく環境のいいところで休んでください。無理しないでください。そしてできることなら長い期間をとって旅行してください。慣れるのに数日かかるので。自分の体が耳がインドになじんだなと思ってからです、楽しくなってくるのは。
まとめ
気をつけることで随分語ってしまったのですが、あとは楽しむことです。考えることはできれば後回しにしましょう。でないとインドの魅力にはまり、帰ってこれなくなるかもしれませんよ。