インフルエンザで会社を休むときの対応と何日まで休めるのか?
冬になると風邪や感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)などの感染する病気が流行してイヤになりますよね。
特にインフルエンザは怖い病気で、症状が激しいだけでなく感染力も強いのであっという間に大流行してしまう恐ろしい病気です。
社会人1年目のFさんは、ある晩にとてつもなく体がダルいので熱を測ると39度の熱があり、ただの風邪ではないなと思い、次の日に休みをもらい、病院を受診しました。
すると診断はインフルエンザでした。
全身症状がひどく、高熱も相変わらずだったので当分は仕事にならないと思い、完治するまで会社を休ませてもらいたい…と思っていましたが、会社にどう伝えたらいいのか悩んでいます。
また、インフルエンザで休んだ場合は有給扱いになるのかどうかも気になるところです。
今回は、このFさんのケースを見ながら「社会人がインフルエンザで休む場合の対応」について見ていきます。
インフルエンザで会社を休む
インフルエンザは大変感染力の強い病気です。インフルエンザは小学校や中学校では学校保健安全法により「第二種学校感染症」に定められており、出席停止になります。
それほど感染力が強く、警戒されている病気なのです。
社会人においてもそれは同じで、無理に出社することによって周りにも感染による甚大な被害を及ぼす恐れがあります。
社員がインフルエンザに感染した場合、会社はその社員を出勤させるべきではありません。その社員から他の社員たちに感染することによって多量の感染者を産み出してしまい、欠勤者が増えて、会社としては大損害となることでしょう。
そのため、インフルエンザで休むことは会社のためにもなるので(正直、同僚としては休んでほしい)、世間から見ると欠勤は「当然」と思います。
むしろ、それで出勤しているようでは社会人としての周りへの配慮に欠けているとも言えるでしょう。
Fさんはまだ入社1年目の新入社員なので、長期間休むことに抵抗があるようですが、ここはしっかり自宅安静をすべきです。
インフルエンザで会社を休むときの対応
社員がインフルエンザにかかった場合の会社の対応は、特に法定されていないので会社によって異なります。
完治するまで出社しないようにと会社から命令するところもあれば、社員の判断に任せるところ、医師による診断書の提出を求めるところまで様々です。
また、インフルエンザによる欠勤の扱い方も特に法定されておらず、会社によって違います。
病気休暇や特別休暇を認めるところもあれば、自動的に有給休暇処理される会社もあります。多いのは後者のパターンでしょう。
労働基準法の定めでは、6ヶ月継続して勤務した社員には10日間の有給休暇を与えなければならないと義務付けられています。
Fさんは4月入社で、インフルエンザにかかったのが1月なので有休を使うことができます。これまでに既に使いきっていたというのなら別ですが…
また、有休を使っても欠勤日数を補いきれない場合は、欠勤扱いになります。欠勤となるとその月のお給料にも響きますし、会社によっては昇進時の評価にも繋がります。有休は権利ですが、いざという時のために余裕をもって残しておくことをおすすめします。
しかし会社によっては有休の当日申請なんて認められるの?と不安になってしまう方もいるでしょう。
会社には就業規則というものが存在しており、そこには「有休は事前申請すること。但し、やむを得ない理由があるときは、その限りではない」と定めていることがほとんどでしょう。
現実に有給の当日申請をするケースは、社員自身や家族の体調が悪かったりするときに使われることがほとんどで「やむを得ない理由」に該当し、但し書き部分が適用されることが一般的です。
ですが会社にも都合というものがあります。原則として、当日申請であろうと社員から有休申請を拒否することはできないのですが、どうしても業務的・人員的にその社員には出勤してほしい日というものがあるでしょう。そういうときのために会社には「時季変更権」という権利が認められています。
これは、有給申請した社員に対して「有休は別の日にしてくれないか?」と働きかける権です。
しかし実際には時季変更権が使われることが少なく、Fさんのようにインフルエンザにかかっている社員に無理して出勤してこいなんて無茶な話しです。
インフルエンザで会社を何日まで休めるか
会社に属する身としては、会社への迷惑を考えるとそんなに休めない…と考えてしまいがちです。特にFさんは新入社員なので1、2日以上休むことに罪悪感を感じてしまうことでしょう。
しかし、中途半端な回復で出勤しても会社に迷惑がかかってしまうのも事実です。会社に行かない迷惑と、会社に行く迷惑…どちらが本当の迷惑かというと絶対的に後者のほうです。しっかりと治してから出勤すべきなのです。
「だったらどれくらい経ったら(休めば)いいのか」という点ですが、常識的に考えると学校同様に「発症から5日、かつ、解熱から2日経過」が望ましいです。インフルエンザにかかると、1週間の間は体内にインフルエンザ菌が残っていると言われています。そのため、他の人に移す危険がなくなるまで、1週間は丸ごと休んでおきたいところです。
インフルエンザにかかったら、まずは病院を受診し、どれくらい休むべきかを相談し、それを踏まえて直属の上司や会社の総務課などにお休みを頂く期間の相談をしましょう。
インフルエンザで体がしんどいのに電話相談ばかりで大変ですが、社会人として大切なことなので辛抱しましょう。
まとめ
その後、Fさんは1週間の休みを有休として消化し、医師の許可を得て無事に会社復帰をしました。
社会人ともなると、「休む」ということは精神的にとがめるところがあると思います。
しかし、インフルエンザをなめてはいけません。しっかり休んで治すのも仕事のうちなのです。